未知日記 第六巻 光明論 巻の八 298番 第二章 シュ の 門 次には鼻に来る香に心づかざるか。汝等は余りに荘観なる眺めに眼を奪奪はれ、妙なる音色に耳を奪はれその眺めその音響のために魂をも奪はれて、香ゆかしき匂いには鼻をむくるの余裕なかりしならん。今、我注意によりて初めて其と頷きたるならん。汝等かくの如き芳香に酔ひたる異りしか。銘木蘭奢待(らんじゃたい)等遠く及ばざるべし。されば汝等の世界には如何にたづね求むるとも是に比する香の物あらざる事を我は知るによって斯くも公言して憚らざるなり テツシン貴尊講義

未知日記 第六巻 光明論
下巻 光明論 巻の八
教主講、テッシン貴尊解説
大悟篇 上
第二章 シュ の 門
テッシン貴尊 講述
298番
次には鼻に来る香に心づかざるか。汝等は余りに荘観なる眺めに眼を奪奪はれ、妙なる音色に耳を奪はれその眺めその音響のために魂をも奪はれて、香ゆかしき匂いには鼻をむくるの余裕なかりしならん。今、我注意によりて初めて其と頷きたるならん。汝等かくの如き芳香に酔ひたる異りしか。銘木蘭奢待(らんじゃたい)等遠く及ばざるべし。されば汝等の世界には如何にたづね求むるとも是に比する香の物あらざる事を我は知るによって斯くも公言して憚らざるなり。斯くも優れたる香をききて心の底迄浄めらるるを覚ゆるならん。今暫く眼耳をふさぎて鼻にのみ意識を集注せしむべし。音に於てすら是を説明する言葉に苦む。まして香なるに於てをや。されば匂いは汝等の心に委せ、次に顔に対して説明をなさん。
汝等静に頭を左右上下に廻転し、次第に廻転の速度を早くせしめよ。然して直ちに元の位置に復し見よ。然して前方を見るべし。汝等の世界ならばめまい耳鳴り等によって頭部は重く脳は混乱して、めまいを感ずる筈なるにこの処にては然らず。却て脳の混乱は静止して意識は明確となり、耳目は明瞭に聞見するならん。
次に肉体を活潑に運動せしめて横転或は順転逆転など行ひに充分にその快感を味ひ見よ。然して皮膚の触覚に触る光の感じ、其より受くる内臓の変化して其によって生ずる爽快さを知り得たらば、永久この場所に止らんことを願ふなるべし。されどそは許されざるなり。然して尚汝等を驚すことあり。其はこの銘香を吸収してある時は飢ゆるを知らず、又喝を欲せざればなり。汝等横転逆転なすともいささかの苦難危険を感ぜざる事も亦不思議とは思はざるか。然らばこの門は何のために建てられたりと思ふや。以下是よりその概要を説かん。
先づ初め門に入りし時眼(まなこ)に映じたる光は、第一の門に見たる種々様々の色香の往来上下しありし光の分解せられて、此処に運ばれ来りたるものにして、銘香はその光より放散する気体の匂なり。我、汝等に告ぐ。汝、足を手にかへて前後左右に歩行せしめよ。いささかの苦痛も感ぜず、たやすく歩行するを得るならん。又足を手にかへて手の技を試みよ。全く不便を感ずる事あらざるべし。汝等の世界にては逆に立ちて手にて歩行なすこと能はざらん。然るにこの所にては自由に手足の区別なく歩行なすとも脳には何等の影響あらざるなり。もし汝等肉体を中心として考へずば天地八方を知る能はざるべし。汝等は己を中心として凡てを考ゆるによって悟するを得ざるなり。たとへば汝等の肉体が毬の如き円形なりせば、此門ににては天地はもとより八方の区別を定むる事を得ざるならん。頭を天とし足を地とし、両手を左右胸を前方背を背後と区別すれば従がって方角の必要も生ずる故に、絶対の妙域に達する事を得ざるなり。
