覚者 慈音465


           三世と四世論
           未知日記第八巻
           第一の巻
           過去の巻        其の19
    第十六    空しき生死とは如何              
             リョウジャ、セイキョウ貴尊講述


 世人の中には金のあるにまかせて豪奢の生活をなして他を羨ませ其に依って優越感を満喫して得意がる不所存者あり。斯る徒輩あるに依って世は乱るるなり。彼等に到るものはすべて幾何の恩恵にあづからんとて正不正をきらはず命ぜらるるままに事をなし、知らず知らずのうちに悪に化せらるるなり。故に財宝は人を救うに必要なれど用法の如何によって世を阻害する毒薬ともなるなり。汝等財を有するならば世を益することに用いて享楽のために用うるを止めよ。其は死人を多からしむる故なればなり。財宝のあるにまかせ一生ほところ手して暮らす人は空しき生に属し、又資産を悪用して遊惰に暮らすものは空しき死に属すなり。是等の類よりすべてに適用して判断せば可ならん。是等については後にミキョウは因果論に於てくはしく説明するならん。故に我は割愛すべし。然して我の語らんとなすところは斯る平凡なることにはあらず。大凡動植物すべては(学理は別として普通常識より判断すれば)引力圧力平均して成長すると見なして思惟すれば、人間は幼児より圧力と引力は平均して成長しつつ向上す。然るに精神に限度なければ引かるるままに好転すれど肉体は限度を有するによって限りなき精神に従うことを得ずしてここに圧力は減退して、反対に引きもどさるる結果、一方は上昇し一方は低下するは自然の法則なるべし。されば若者は未来を語り老者は過去を語ると云うも此理なることは推して知ることを得るならん。即ち若者は身心共に発達し老者は肉体低下する結果心と共にひきもどされんとする故、精神の向上は若年者の如く旺盛ならざるにより気力も次第に消滅せんとなす傾向を示めすなり。故に若年より精神に重点ををかずして老年期に到らば身心共に減退果て最後に到りて肉体と同じ運命に終るは火を賭るより明らかなるべし。汝等よく考へ見よ。軽きものは上昇し重きものは下降するは汝等が世界の法則ならずや。故に肉体を黄泉に葬るとも心は然にはあらざるべし。即ち魂は天界に肉体は地下にをかるるは自然なるべし。もし汝等にして身心共に黄泉に陥る如き生活をなし居らば其は空しき生死となるなりと知るべし。


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