覚者慈音451  三世と四世論  第三  万物の親.肉体の親  セイキョウ貴尊講義

        三世と四世論


              未知日記第八巻
               
第一の巻
           過去の巻        其の5
                  
             リョウジャ、セイキョウ貴尊講述


         第三  万物の親.肉体の親


 我、斯る事を論ずれば思慮浅き学者達は大人気なき愚説を披露するものかなと嘲笑して面をそむくるならん。さりながら是等の説を語るには決して無益の雑話にあらず。汝等心静かに聴きて粗略に考ゆることなきやぅ注意しをくなり。又汝等の中には地球は親なりとも我等は分離されて今は人として生存しある以上人間界の定めをきたる律法に従いて行動すれば可ならんに何を求めて親をたづぬることをなすや。肉体の親さへ知らば其にて事足ると思うものもあるならん。汝等もこの説に共鳴するや。然りと答うるならば我も問うことあり。汝等は暗夜に燈火なくして何等の不自由を感ぜざるか。盲人ならざる限り可なりと答うるものはあらざるべし。故に我等は汝等に対し暗夜に光明を与へんがためにかかる論説を披露なしをくなり。俗言に「親の光は七里照らす」と、云はれあることを知るならん。是は親の慈悲心は七難をも消滅すとの意味も含まれあるなりと思うなり。言葉ある親によって肉体精神共に成長し軈て親の手を離るるに及んで求むるものは即ち声なき空の親なるべし。禅家の僧の短歌に、暗の世に鳴かぬ烏(からす)の声きけば、生れぬ先の親ぞ恋しき」汝等は如何に考うるや。訳の分らぬ事をとなへて興(おもしろ)がる者は禅家の悪戯なりと嘲るか。汝等かかる短歌にも思いを致し見よ。汝等の世界は光明なき暗黒界に等しくしてその中に生存する汝等は、うば玉の鳥のひしめきあいに等しく、このひしめきの声を聞けば此世に生れ来らざりし先の光明の輝ける世界は恋しく又慕(いと)はしきとは思はざるか。されば思いを過去にめぐらして考へみるべし。我等の語り居れる地球の親にかへり、祖父母の太陽の威徳を知りて暗の夜を明るくし人類に光明を輝かさば啼かぬ鳥も、啼く鶯の声とならん。かくならば前の短歌も影失せて、「初春に啼く鶯の声きけば、生れし今の親ぞ尊き」ともならんか。呵々

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