覚者慈音388



未知日記 第十巻  帰途案内記
最終の巻


                      その43
二流界、仮称霊空界の人類について                          
                  セイキヨウ貴尊 講述


 生より生を追ふて徐々に歩みを進むることによって、次第次第に汚れたる肉体は浄化せられて、軈て魂魄界を度脱して霊空界入ることを得たる人間と化せらるれば、人間としての使命はここにはじめて其全きを得て、真の人に組織せられたるなりと知るべし。此処に至らば相対の極致となるなり。是より以上は絶対界となる。されど二流界は未だ相対の頂点にして、絶対にあらずと知るべし。
 二流界に於ては未だ男女の区別はあるなり。然して肉体を有するが故に衣服も纏はれ居るなり。此界と雖も種々様々ありて唯一個のものにはあらず。我、慈音を導きて示したる処は二流界のうち最もすぐれたる界を見聞せしめたるなり。故に慈音に示したる所をここに記録して世人にも語らんとす。其心して聞くべし。
 此界は男界と女界が二分されて住居なし居る世界にて、男界女界の間には或一種の空海によって区分せられ居るなり。慈音が是を見て此海には光の波にて、是は水かはた又雲かと我にたづねたり。恰も海は世人の世界の不知火の如く、光の波にて輝き居る故に、慈音は斯くも不審なしたるなり。此海を隔てて一方は男界、一方は女界と区別せられ居るなり。然してこの空海を隔てて両岸は若き男性と女性が夫婦として住居なし居る処にて、謂はば一方は夫の岸、一方は妻の岸と思はば可ならん。然してこの空海には嬉々として遊び居る男女の小児が互に育てられて、成人する迄この空海に置かれあるなり。然して女児は軈て発育して女界に移され、男児は又男界にと分けられて其々の任務に服す。実に神妙不可思議の世界なるによって、我は慈音をここに誘ひて見聞せしめたるなり。
 人生れて海に育つなどとは実に面白き所ならずや。生れてかかる不思議なる所に育ち、然して長ずるに従ひて界に入りて其々の任務に服する如き世界は、他には見ることあたはざる不思議なる世界なりと世人は考ふるならん。是には深き理由あるによってなり。此界の男女は所謂霊的人種にして魂魄界の人種の如く女性は子を産むにあらず。男女の気体合して中間性に生るるが故に、斯くも空海に自然出現なすによって、長ずる迄は恰も母の胎内に宿り居ると同様の姿なりと知らば可ならん。所謂空海は母体と同様のはたらきをなすと思はば理解することを得ん。

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