観音さまの話   ひろさちやの観音講 その三



<ひろさちや先生の講義の続き>



親と子は必ず別れなけばなりません。親が先に死ねば子は悲しみの涙を流し、子が先に死ねば親は断腸のうめき声もらします。
愛し合った夫婦も悲しい別れをしなければなりません。夫が先か、妻が先か・・・・・・
ちなみに私は出来るなら妻より先に死にたいと思っています。親しい友人ともいつかは別離せねばなりません。別れそのものが娑婆のおきてなのです。でも私たちはお浄土でまた会えるのです。この世で親子なり夫婦となり、友人となって縁を結んだ人々がいったん娑婆でお別れをします。しかしその人々が・・・・・・
このことを阿弥陀経では俱会一処(くえいっしょう)と言い表しています。このようにお浄土は私たちのふるさとなのです。私たちはふるさとを信じてしっかりとこの世の悲しみや苦しみを耐えようではありませんか。それが私の提案です。如何ですか。
もう一つおまけに親鸞聖人のお話をしましょう。浄土真宗の開祖である親鸞聖人は自分の奥様の恵信尼を一生の間ずっと観音様の生まれ変わりと信じて生きてこられたのです。このことを恵信尼には一言も言っておられない。けれども恵信尼を救世観音の化身としてずっと拝み続けてこられたのです。
また奥様も同様で親鸞聖人が生きている間は一言も言わなかったのですが、親鸞が亡くなった後に娘に書いた手紙の中で、私は親鸞さまを観音様の生まれ変わりと信じて仕えてきたと告白しています。夫婦がお互いに心の中で相手を観音様と信じて拝み合ってきた、私はその姿の中に本当の家族の在り方、人間の生き方があると思うのです。生きにくいこの世のながでお互いを観音様と思って感謝しながら生きていく・・・・・・
なんと素晴らしいことではありませんか。
それではこれで観音様の講演を終わります。



以上がひろさちや先生の講演内容です。

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