覚者慈音1062 未知日記 第六巻 光明論  下巻 光明論 巻の九 大悟録 下 第一章 ギョウの門  テツシン貴尊講義

覚者慈音1062
未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の九 
教主講、テッシン貴尊解説
大悟篇  下
第一章 ギョウ の門


             テツシン貴尊 講述
               2019.6.17


 無を意義あらしむるは最も大切なる事にて其が論説もきはめて広範囲にわたる。されど結論は一に帰することを得るなり。所謂先にも屡々説きたる如く、有無を伴はざる絶対無と有無を伴ふ相対無に分ちて説明せば、とにかく理論は成立すれども是を実行うつすは容易の事にあらず。たとえ名論卓越すとも言行一致せざれば机上の空論となりて衆人を惑はし苦しむるのみにして、何等の益も無ければなり。然らば修養によって体得なし得るかと云ふに我は然りと答ふるなり。汝等は無と云ふ事に対して絶対無と相対無を明瞭に区分して研究を進むるにより発見に時間を空費するのみて効果を見る能はざるなり。されば是については前に概要を説明なしたれば重複するをまぬがれずと考ふれど、必要なればいささか語るべければ是を諒とせよ。
 汝等仮に無に対して一と限度を与へて考察し見よ。然る時は其無は既に無の姿を変じて有の境涯に一歩を印したりとも見らるるならん。即ち有無を有する無には是に類するはたらきあるなり。汝等は眼に見えざるものを無と観ずるため正しき無を認識することを得ざるなり。眼に見えずとも有は有なり。唯眼に見えざるのみとして判定すれば可なり。
 さて絶対無とは如何と云へば全宇宙の組織なるにより、絶対無即絶対有にして有即無の関係となる故に、絶対無絶対有は完全一体なるにより有無の理論は成立せずと云ふも過言にあらざるべし。譬喩を蝋燭にとる。是に点火せば有となり滅すれば無となると考へるによりて有無の理を誤解するなり。即ち点火すれば現はれ明滅すればかくれたるにて、有無とは全く関係なしと見て差支なし。かくれたる物は居を変へたるにすぎざればなり。汝等この理をよくよく翫味して有無の理を徹底的に究めざれば無のはたらきを求むるを得じ。所謂全宇宙又は宇宙がすべて存在するならば、理論上は有にして無と云ふものの成立せざる結果となる。故に我等の説く有無或は有無を伴はざる無とは何を指すかとの事についていささか語りをかんとす。 

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