未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 座禅静座して心を沈静するは即ち塵埃を清除する方法なるべし。書を読み経を唱へ祈りをなすも是又排出の方法に属す。自問自答又然り。汝等幼なかりし頃は何事を見聞なすとも記憶力が旺盛なりしならん。然るに年長けての後は如何 ! 今聞きし事も瞬間にして忘却し居…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 心の持ちかたとは方法を云ふにて、法の如何によつて悩みは排除せらるる故なり。魂なくんば法を知ること難く、心なくんば肉体を整ふることも難からん。故に仏教者は仏法僧の三宝に帰依せよと称し居るなり。不動心とは法の心を指すにあらずして、魂の心を指すなり。魂の…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 兎角人間は命令に服従することと、又応じ難き事との区別あるならん。されど命令せられたる事と、依頼せられたる事とに関しても亦、其意味に対して応否の区別も従って多かるべし。是等は心の持ちかた如何によるとは考へざるか。同じ言葉に対しても命令の意味と、依頼の…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 楽みも苦みもすべては頭に帰す。この苦みをとり去りてすべてを楽みに化せしむれば、頭は安らかなる如く、二流界はすべての苦みを排除して、楽みの世界と変じ然して肉体全部をおさめ居る如く、二流界はすべての下界を安らかにおさめんと、努力なし居る事に考へを進めて…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 心眼に映るものの美点は見る程深き味を覚え、聞くものも亦同様にして見聞し尽すこと如何に年月を経るとも、其美をきはむること難ければ其程楽しきこことはあらざるべし。二流界はそれなり。如何に生活なし居りても倦怠を感ずることあらざる土地なり。然して何等の危険…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 人類の極致へ セイキョウ貴尊 講述 是等に関して学理より種々様々説明をなし居れど、帰するところは理窟にすぎざるべし。汝の眼は正しきものを見る事あたはず。汝の耳正しき声を正しき音を聞くこと難し。是即ち心の迷ひなるべし。正しき心とは何によって現はさるるや。即ち心は魂に魂は霊…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 「瞬間破壊があるならば瞬間組織もある」 セイキョウ貴尊 講述 時間空間を要するものを作り出したるが故に、時間空間の必要あれど、その中に於て時間空間の要なきことを考ふるならば、自然は其中に深き意味を有して持続なし居るが故に、絶対自然の流れが時間を有するところにも含まれある…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 「瞬間破壊があるならば瞬間組織もある」 セイキョウ貴尊 講述 斯く語らば世人は不審するならん。二流界と雖も男界女界の住めるところある以上、時間空間を有するにてはあらざるかと。然り。然あるなり。実在的のものには時間空間のそなはりを有すれども、技術的に至っては斯る必要を認め…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 全宇宙は始めなく終りなきが故に何になる事ぞの連続より他にあらざるならん。是即ち終始なきが故なり。是を要約すればこの全宇宙は何になる事ぞの疑問詞に他ならざるべし。もし始めあり終りあるものならばこの言葉は成立せざるなり。汝等の肉体にて考へ見よ。その言葉…
未知日記第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 余事は兎に角ジョウの門に組織せられたるものと雖も、未だ人間の任務をはたさずばギョウの門に入ることを許されざるなり。二流界の人類はジョウの門なるが故に、人間としての責務を架せられあるが故に、その任務はすべて人間界の方向にのみ向けられ居ることは云ふ迄もな…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 二流界仮称霊空界は魂魄界とは異なり、既に魂にはたらき居る霊の力が加はりて、共に同化せんと計り居る世界なるが故に魂魄界とは異なり、すべては空のはたらきを主として任務をなし居るによって、世人の世界とは全くかけ離れたる責に任じ居るなり。所謂肉体を離れたる…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 是等は実在的の事に限らず、空なる事に及びては世人は無関心にして生活をなし居るによって、世の中は進歩発達は得られざるなり。空なる方向に意を用い居らば其が反対に実在に影響を及ぼして、空実共に安らかとなることは云ふ迄もなし。現在汝等の世界は空の戦ひたえや…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 所謂魂は霊にかへり更に霊より又魂に生る。故に魂霊魂の関係となる。されば魂霊魂の関係より考ふる時、一度失はれたる魂となるとの意味より、魂は霊にかへりて死すとの考へを起すならん。されど事実は然らず。魂は霊にかへりたるは所謂我家に入りたると同様にして、霊…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界その葬儀 セイキョウ貴尊 講述 先にも語りし如く霊は善にも組し、悪にも組すと云ふことの理も推して知らるるならん。この霊によって浄められたる魂とならざれば、霊と魂の融和結合は清浄とはならざるなり。魂に垢づき居らば霊も亦垢づく。されど霊は清浄にして魂は未だ清浄ならずば透明とは…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界その葬儀 セイキョウ貴尊 講述 兎に角何れにもあれ聞くに止めをくべし。今是等に関しての有様を聊か語るべし。先にも語りし如く二流界を仮に霊空界と仮称しをきたり。既に此界は霊に化せられ居る世界なるが故なり。即ち男性の界は陽霊にして、女子の界は陰霊となり居るなり。然して両界の間…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 霊のことは古今宗教者の筆舌を極めて語り伝へ居れど、未だ霊の正体を知る人少なし。よつて二流界の様をくはしく語らば自づと霊の正体は認識することを得ん。大凡霊に対しての伝説はその範囲極めて大きため語る者聞く者、皆其々の智識の程度によって異なれるため、正し…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 世人の修養修行の様を見るに心のみ忙しく働かせ居りて、肉体と魂をつなぐ事をせず、ために肉体と魂が分離されて融和の度を欠くによって、天爵の影うすくして品位は高くせられざるなり。先にも語りし如く魂と肉体とを一体化せしむる方法は、心に依らざればなし難し。心…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 かく語り来る時世人は思ふならん。天爵得られずば人爵これに伴はずと。もとより天爵ありて人爵是に従ひ来るは一応尤の如く感ぜらるれど、人爵は或程度智慧と物質との関係より来ること多し。人爵のうちにも自然人爵と苦心人爵との二種あり。自然人爵とは其人に具はれる…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 世人よ。我等の説を聞きて修養をなさんとするならば、其心して道を択ぶべし。然らずば我等の説にのみ囚はれて一方的となり、遂には狂人となる如き愚を敢てなす勿れ。されば是等の道理を正しく認識して、修養の道を計るにあらざれば、正しき人格は得られざるなり。宗教…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の四 最終の巻 二流界、仮称霊空界 セイキョウ貴尊 講述 霊は零に和して霊を作ると云ふ教へあり。品位とか云へるものは即ち零より生れたる霊なるべし。自然に具はれる威厳或は其人々の人徳などに対して、皆其々異なり居るもその個々に有する性格の相違にして、是等は人力に依て如何ともなし難し。さりながら教育の程度によって…